髪がまとまりにくくなってきて縮毛矯正をかけたがどんどん痛みが進行してしまう。
それで今話題の髪質改善トリートメントや酸熱トリートメントなるものを使ってみたけど全然効果を感じなかった。
しかも白髪が出てきて根本も染めたい!でもダメージさせたくない!という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
グーグルの検索窓やYahooの知恵袋を見ていても、髪質改善は本当は傷んでしまうという美容師もいますよね。
色々な情報があって何を信じていいのかわからないという方に向けて
縮毛矯正と髪質改善の種類や違い、そもそも髪質改善って何?という疑問を解決していきたいと思います。
20年間美容師をやり続けてトリートメントを使ってきた経験を元にお話ししていきたいと思います。
では早速見ていきましょう。
縮毛矯正とは?
よく美容室で縮毛矯正というメニューを見かけますが、これは髪のクセを伸ばす技術になります。
うねった髪を薬剤と熱の力で真っ直ぐに伸ばしていきます。
髪がクセでうねうねしたりしているのを真っ直ぐにして髪型を整え、綺麗にすることができる技術になります。
ストレートパーマも同様で、薬剤の強さによって名前を変えている美容室がほとんどです。
では縮毛矯正やストレートパーマはどのようなメカニズムなのかについてわかりやすく解説していきましょう。
縮毛矯正のメカニズム
髪はタンパク質、油、水でできていて、中身は繊維状になっています。
繊維状の中身はケラチンというタンパク成分でできています。
その繊維状になっているタンパク質を薬剤の力で柔らかくしてアイロンの力で乾燥させて形を作ります。
その後2剤と呼ばれる薬剤でまたタンパク質の結合を元の形にもどしていきます。
Yシャツも元は糸が折り重なってできている繊維ですよね。
その繊維のなかを見てみると同じような結合をしています。
タンパク質の結合にはいろいろな種類があり、一番取れやすいのが水素結合になります
取れやすい順に
- 水素結合
- イオン結合
- シスチン結合
- ペプチド結合
となっています。
ヘアアイロンで巻いた髪がシャンプーすると元の状態に戻りますよね。
イオン結合はヘアマニキュアをつけた時のような少し取れにくい結合になります。
そして、薬剤を使ってるパーマはシスチン結合と呼ばれる強い鎖のようなものを薬剤で解きます。
なのでパーマや縮毛矯正は長持ちするのです。
ちなみにダメージを受けすぎてボロボロになってしまった髪はペプチド結合が切れた状態です。
ペプチド結合は最後の結合なのでこれが切れてしまうことで髪も切れてしまうのです。
では縮毛矯正の種類について解説していきましょう。
縮毛矯正の種類
髪に形をつけるための薬剤は主に7種類しかありません。
その7種類のパーマ液をクリーム状にしたり、液体状にすることで髪に使えるようにしています。
主に縮毛矯正と呼ばれている薬剤は強いチオグリコール酸というものをつかい、
ストレートパーマと呼ばれるものはシステイン酸と呼ばれるものを使っていたりします。
酸性のストレートパーマはGMTやラクトンチオールと呼ばれる酸をつかったストレートです。
ちなみにあとで紹介しますが、酸熱トリートメントと呼ばれるものはグリオキシル酸やレブリン酸というものを使っています。
ざっくりと説明させていただきましたが、これ以上詳しくなると少しわかりにくくなるので省きます。
では縮毛矯正はどんな特徴があるのかについてみてみましょう。
縮毛矯正の特徴
先ほど少しだけ縮毛矯正のちがいについてお話ししていきましたが、次は特徴とどんな人に向いているのかお話ししていきます。
縮毛矯正の特徴は
- 真っ直ぐなストレートになる
- 髪の負担が大きい
- 一度かけたところは半永久的にストレートが持続する
- アイロンをする時間が長い
- かけたところはパーマをかけにくくなる
クセを真っ直ぐに伸ばす縮毛矯正は、しっかりとボリュームをダウンすることができます。
まさに髪質が改善したような状態になります。ではどんな人が縮毛矯正に向いているのでしょうか。
縮毛矯正にむいている方
- 髪のクセが強くて困っている方
- クセをしっかりと真っ直ぐにしたい方
- 長期間持たせたい方
- 毎日アイロンでクセを伸ばしている方
- あまり美容室に行く時間がない方
髪のクセがありすぎて困っている方には縮毛矯正がおすすめ。
髪のクセが酷くなると湿気でうねってしまったり、今だとマスクをしているので前髪がうねったりする場合があります。
それに縮毛矯正は長期間持続するので美容室に行く時間が取れない
- 仕事が忙しい方
- お子様が小さい方
は年に何回も行かなくて済むので役に立つでしょう。
それと毎日アイロンをする方も手間が省けるので朝が楽になります。
シャンプーして乾かすだけでまとまりがよくなるので6ヶ月くらいはアイロンをかけなくても大丈夫。
では最近話題の髪質改善トリートメントについて解説していきましょう。
髪質改善トリートメントとは?
ダメージしていない髪を毛先まで伸ばすことができれば「髪質改善した」と言うことになります。
髪質改善トリートメントは他のお店で酸熱トリートメントのことを指していますが、リトルストーンでは酸熱トリートメントと髪質改善は別物にしています。
グリオキシル酸を使う時は酸熱トリートメントというメニューではなく、ストレートパーマと同じメニューになります。
結論を言うとリトルストーンの髪質改善はダメージを防ぎ、傷んでしまったところは補修します。
髪質改善トリートメントに向いている方
いろいろな髪質がありますのでその人の「今」の状態に合わせて処理剤を調合します。
どんな人でも髪質改善トリートメントに向いています。
カラーをまだしたことのない健康的な髪の人でも髪質改善トリートメントをしてからカラーしていきます。
油の産毛は一回のカラーで無くなってしまうので、なくならないようにヘアカラーをする必要があるのです。
髪質改善トリートメントのデメリット
髪質改善トリートメントをすることで特別なよくない事はありませんが、あえて言うなら期間がかかることです。
ダメージしていないところを傷ませずに伸ばしていくので時間がかかるのです。
よくお客様からは「自分の髪じゃないみたい」と言われることが多いです。
では次に酸熱トリートメントについて解説していきましょう。
酸熱トリートメントの特徴
酸熱トリートメントはほんの少しだけクセを伸ばすことができます。
縮毛矯正は酸熱に比べ工程が多く3時間くらいはかかってしまいます。
それに比べ酸熱トリートメントは工程が少ないので早く終わることができます。
酸熱トリートメントで髪は良くならない
ここで注意が必要なのですが、酸熱トリートメントをしていても良くなることはありません。
酸熱トリートメントは薬剤を使っているので弱いストレートパーマと言ってもいいでしょう。
薬剤を使っているので髪の表面の油をとってしまい、次第にキューティクルが剥がれてダメージしてしまいます。
ではどんな方が酸熱トリートメントに向いているのでしょうか?
酸熱トリートメントに向いている方
髪が細くてふわふわしている、時間が立つと髪の表面に短い毛が立ってくる悩みの方に適しています。
では次に髪質改善トリートメントと縮毛矯正のちがいについて解説していきましょう。
髪質改善トリートメントと縮毛矯正の違い
1番の違いは
- 薬剤を使っているか使っていないか
- クセが伸びるか伸びないか
大きく分けてこの二つ。
髪質改善はクセを伸ばすのではなく、手触りをよくしたりツヤを出したりすることができます。
それに対して縮毛矯正はクセを伸ばしてうねりを真っ直ぐにすることができます。
薬剤を使っている縮毛矯正は髪に負担を与えてしまうので、事前にトリートメントなどでダメージしないような処理が必要。
縮毛矯正もやっぱりケアが大事
リトルストーンでは縮毛矯正の前にダメージさせないような処理をしています。
アイロンしたあとにまた薬剤をつけてもう一回トリートメントの処理をすることで髪のツヤや柔らかさ、しなやかさを維持。
せっかく美容室で髪を綺麗にしても家でシャンプーやトリートメントを洗浄力の強いものを使ってしまうとどんどん痛みが進んでしまいます。
綺麗な髪を維持したい時はお家でのケアもしっかりしていきましょう。
縮毛矯正と髪質改善の持ちはどれくらい?
では髪質改善や縮毛矯正、それに酸性のストレートパーマはどれくらい持つのでしょうか?
- 髪質改善トリートメントは1ヶ月から1ヶ月半
- 縮毛矯正は4ヶ月から6ヶ月
- 酸熱トリートメントは1ヶ月から1ヶ月半
- 酸性の縮毛矯正は3ヶ月ほど
このような違いがあります。
リトルストーンでは髪質改善と縮毛矯正を一緒にやる時は同時進行でやっていきます。
髪質改善はトリートメントを髪にしっかりくっつけるのでトリートメント成分が長く持ち
縮毛矯正はタンパク質を変性させるので半永久的に真っ直ぐになります。
どうしようもなくなってしまうタイミングが4ヶ月から6ヶ月くらいだと言っていいでしょう。
酸熱トリートメントは少しだけストレートパーマのような薬剤が入っていますが、クセを伸ばすちからはそこまでないので1ヶ月くらいです。
徐々にトリートメント効果も薄れてくるのでそこまで持ちは良くありません。
酸性の縮毛矯正はダメージ度合いは少ないかもしれませんが、クセを伸ばす力は弱いのでだんだんクセが出てくるような感じです。
「持ち」の面でいうと縮毛矯正が一番良さそうですが、ひとそれぞれ悩みや髪質に違いがあるのでそこは美容師と相談する、と言うことになります。
他には根本の伸びてきた髪や白髪の悩みもありますよね。
次に縮毛矯正とカラーは一緒にできるのかについて解説していきます。
縮毛矯正とカラーはどっちが先?
縮毛矯正の順番を間違えると髪の色が全部抜けてしまったり、縮毛矯正がかかりすぎてしまったりします。
ダメージにもつながりやすいのでちゃんと知っておき、知識を身に付けておくことで自分の髪を守ることができます。
では具体的に説明していきます。
縮毛矯正を先にしたほうがいい理由
縮毛矯正をカラーのあとにしてしまうと、薬剤の力が働いてカラーの色が抜けてしまいます。
これはアルカリの作用でキューティクルを開かせてしまい、せっかく染めたカラーが抜け出てしまうからです。
それと髪の中の最終的な結合であるペプチド結合まで切ってしまいかねません。
カラー後アルカリ度の高い状態で縮毛矯正剤で施術してしまうと最悪髪が切れてしまいます。
髪には耐久性があり、先ほど言ったようにタンパク質の中に結合があり、本来であればシスチン結合を切るだけでいいのですが、ペプチド結合まで切ってしまいかねません。
ではより具体的に解説してみます。
理由1縮毛矯正剤がヘアカラーの色素を分解してしまう
ヘアカラーの色素は酸化して髪の中で酸化重合と呼ばれる反応をします。
カラー剤を放っておいたら勝手に色が変わるやつです。
カラーの色の元になる成分が酸化することによって髪の中で色が作られます。
縮毛矯正剤はこの酸化した色素から酸素を奪い取ってしまいます。
そうすることで矯正剤を塗ったところの色素が分解され流れ出やすくなってしまうのです。
理由2縮毛矯正剤による色落ち
アルカリ性の薬剤はキューティクルを開かせる効果があります。
キューティクルが開くことによって髪の中にある色素が外に流出しやすくなってしまい、ほとんど色が抜けた状態になります。
ということから希望のカラーにするためには先に縮毛矯正をしたほうが良いのです。
同時にしても大丈夫なの?
縮毛矯正をかけたらカラーも気になる、でも2回に分けて美容室に行くのは面倒だ、という人もいるかと思います。
縮毛矯正とカラーを一緒にすると強い薬剤に髪が2回も触れてしまうことになります。
同時にやる場合は根本だけを縮毛矯正したり、化粧品扱いの薬剤にすると同時にできるかもしれません。
リトルストーンでは間隔を空けて2回に分けて施術をお勧めしています。
同時にする際の注意点
同時に行う時は髪のアルカリ度をコントロールできるような処理剤を使います。
ヘマチンという処理剤があり、これがアルカリ度をコントロールします。
ですがやはり髪の状態を見て、最適な薬剤処理をしないとダメージにつながってしまいます。
髪のアルカリ度をコントロールすることもダメージさせない秘訣なのです。
縮毛矯正をしているとカラーは染まらない?
よく見かけるのがストレートパーマや縮毛矯正と一緒にヘアカラーもしている方で、毛先だけ黒くなっているお客様です。
一体どうしてこうなってしまうのでしょうか?
縮毛矯正をすると髪にカラーが浸透しにくくなる
これは期間を空けて先に縮毛矯正をしているからです。
髪はタンパク質からできていて、卵と同じ成分になっています。
タンパク質は熱を加えると固くなってしまいます(熱変性と言います)。
髪にも同じことが起こっていて、日々アイロンをしたり、縮毛矯正をかけることで髪のタンパク質は硬くなります。
それと同じで縮毛矯正をかけた髪はタンパク質が熱変性して硬くなってしまうので、カラー剤の浸透が悪くなってしまいます。
髪の熱変性をした度合いによってカラーの浸透も変わってきます。
これが縮毛矯正にカラーをしてもムラになってしまう原因です。
ダメージを受けた髪もカラーの発色がムラになってしまう
縮毛矯正した髪も染まりにくいですが、ダメージした髪もカラーの染まりに違いが出てしまいます。
髪の傷みが進行していないところは染まりにくく、ダメージしている部分は染まりやすいのです。
根本から毛先まで均一に綺麗にカラーを染めるのは相当難易度が高いのです。
縮毛矯正と一緒にカラーもしている場合は毛先と根本のダメージ度合いが違います。
そのため縮毛矯正をしている髪にカラーをするとムラになりやすいのです。
色々とお話ししていきましたが、最後にまとめてみましょう。
まとめ
今回は髪質改善と縮毛矯正はどっちが先なのか、持ちや期間はどれくらいなのかについて解説していきました。
ざっくりとまとめると
- 髪質改善は酸熱トリートメントを使っているところが多い
- 酸熱トリートメントと髪質改善は別物
- 効果が被るので縮毛矯正と酸熱は一緒にやってもあまり意味がなさそう
- 持ちや期間はメニューによって違う
- 縮毛矯正は4ヶ月から6ヶ月
- 髪質改善は1ヶ月から1ヶ月半
- 酸熱は1ヶ月から1ヶ月半
- 酸性の縮毛矯正は3ヶ月
といった結果になっています。
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